会社経営の意思決定を行う際に、考える視点により判断結果は当然全く異なるものになります。
この考える視点が、特にこの5年劇的に変化していると思っています。
戦後から1990年のバブル迄の45年にもわたる期間においては、基本的には日本の経済は右肩上がりであったため、自分の足元だけ見て、日本経済の成長と伴に歩めれば良かったのです。こうしたことから、考える視点は、非常に低い視点で目の前のことだけ考えれば良かったのです。
1990年からは、日本経済は右肩下がりとなり、自分の足元を見て日本経済と伴に歩むことは右肩下がりになってしまいます。当時の日本経済はもちろん世界は、世界における唯一の大国ともなったアメリカに依存していたため、NYダウが高値をつけた2007年10月迄はアメリカ経済と足元の日本経済を見て経営すれば良かったとも言えます。こういった意味で、戦後成長時代よりは高く、中間的な高さの視点で物事を考えれば良かった時代とも言えると思います。
NYダウが高値をつけた2007年10月以降は、アメリカの経済力の低下とともに中国等の新興国を中心に全世界の経済状況の重要性が高まってきています。今後さらにこの傾向が強くなってゆくことは間違いないため、2007/10月以降については、全世界の状況を視野にいれた意思決定が求められます。ある意味、過去にない程、高い視点でも(=もちろん足元の日本を見る視点も重要です)物事を考える必要が出てきたと言えるのです。
ここまで書いたことは単に「グローバリゼーション化が進んでいる以上、海外の動向を考慮するのは当たり前だろ!」といったご意見もあると思います。全くその通りではあるのですが、指をくわえてみているのではあく、足元を見て行う行動を、ほんのちょっと少なくすし(=これは実際の利益を減らしてしまうのでしょう・・)、グローバリゼーション化にちょっとでも良く対応できるためのほんのちょっとの行動(これは実際の利益は生まないでしょう)を優先させるべきなのではないでしょうか?目先の利益をギブアップすることも重要なのではないかと思います。
この日本の内需系の中小企業においてグローバリゼーション化への対応といっても何が出来るのか?といったご疑問を持たれるとも思います。特に変化の激しい新興国を中心の経済環境の変化について積極的に経済記事やWEBで情報を集めたり、旅行に行ったり、語学を勉強し出したりといったこととか、貨幣価値が将来減らないと思われる国の通貨をFXで買って自分の財産を日本の円リスクから解放するとか、確かに限定的ではあるのでしょうが、出来ることもあると思います。
こんなことを書いている私も思いっきり内需系なので、行えることは極めて限定的なのですが、色々と模索してゆきたいと思っていますので、皆さん頑張りましょう!