以前も今もよく税理士事務所(会計事務所)への報酬は不透明だといった話をよく聞きます。本来、報酬料金といったものは、特定のケースを除き、市場での競争から原価に一定の利益をのせたものに帰結してゆくものであるはずです。しかしながら、ほとんどの税理士事務所(会計事務所)は原価が分からず、一般的な相場(月額3万円とか5万円とか・・で、決算報酬は6か月分の月額報酬とかかな??)と、お客様の足元を見て幾ら位貰えそうか・・などといったことで見積もりを作成しているのが実態だと思います。ほんと、ひどい話です。
原価をよく把握もせずにちゃんとした報酬を見積もりすることなんて出来ないはずです。
また、税理士事務所(会計事務所)が請け負った仕事内容によって彼らの原価は全く違うはずですし、にもかかわらず一般的な相場を参考にすること自体がナンセンスです。
私どもは、最初こそ見積算定書により算定しますが、実際に顧問契約をさせて頂いてから、厳密に誰がいつ何時間作業したといったデータを下に、常に頂いている御報酬に相見合いのサービスを提供しているか? そして、実際にそのお客様に時間をかけているか? といったデータを月次で社内的にチェックし、不十分な場合に、もっと、もっとお客様に役立てる事はないか検討してゆきます。万一、有意義なサービスを追加で出来ないと思った場合は、当社から値下げの話をしたことも実際にございます(この会社様は管理上改善すべき点はもちろんあったのですが、業績が不振で手間を考えるとそこまで管理レベルを上げるのは間違っていると判断しました)。
また、つい先週にあった話ですが、逆に契約当初より、規模が大きくなったりして作業時間が増えてきた場合においては、当社の時間集計システムでデータを開示して、きっちりと納得して頂いて報酬を値上げして頂きました。この時に社長様が、「過去、アーツさんがきっちり原価管理しているにもかかわらず、それでも、当社が苦しい時、採算度外視で対応して頂いていたのを知っていたので、業績が回復した今、当社から値上げのお話をしようと思ってました。さらにまた、この実際の作業時間等から算出される報酬は非常に合理的で気持ち良く、値上げといったことではないと思います。当社もシステム開発会社で原価が人件費なので、こういったシステムによる損益管理に非常に興味を持ちました。」と言っていただいたそうですが、この様に報酬を上げさせて頂くことも時にはございます。
いずれにせよ、資格とかに頼ることでない、胸を張って頂ける報酬を請求させて頂くべきだと思っておりますし、その為には税理士事務所や会計事務所でありながら、原価も把握するきちんとしたシステムもなくお客様に請求を行うことなどおかしいのではないでしょうか。
ちなみに、もし、お知り合いの会計事務所の先生やスタッフにタイムレポートをつけているかどうか聞いてみてください。もし、つけていないといったら、原価管理はしていないといったことです・・だって、会計事務所の原価は人件費なんですから・・。
by 山沢